real world
「…うーん。あぁそうかこれは3倍角と合成を使って…」


「花音!」


私は思わず彼女の名前を呼んでしまった。


あまりにも、彼が可哀相で。


「友香。どうかした?」

きょとんとして花音はこっちを見てきた。


やばい。後の事を考えていなかった。どうしよう。あたふたしていると校内放送が。


『普通科2年特Aクラス上杉友香さん。至急応接室へ来てください。』


呼び出しか。そう思って溜め息をつく。汚い手を使いやがって。


クソ親父。


私はその場を切り抜けられた事にホッとしながら教室を走って出た。
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