real world
花音は難しい顔をして黙ってしまった。
僕といるのは嫌なのかな…
花音はあまりヒトが好きじゃないから、誰かがそばにいるのは嫌なのかな…
それは、僕も含めてなのか?
それはそれで、わかってはいるけど少し寂しい。
「…じゃあ、お世話になってもいいですか?」
「もちろん。うちなら、熱中症の心配もいらないしねっ!悠樹?悠樹?もうっ、どうしたの?嬉しくないの?彼女なんでしょ?」
「か、彼女…」
花音は耳まで赤くなって恥ずかしそうにした。
って、それどころじゃない!
「花音、うちに来るの?」
「えっと、ダメなら…別に…」
「ダメじゃない!僕は嬉しいよ?だけど花音は大丈夫なのか?」
やばい。これじゃ来て欲しくないみたいだ。ちょっと困っていると、痺れを切らした愛さんが割り込んで来た。
「行くって決めたんだから、行きましょうよ。花音ちゃんがいいっていってるのよ?それ以上何が必要なのかしら?」
「そうですね。花音自身が決めたんだから、大丈夫なんだよな…。おいでよ、いつだって歓迎するよ!」
そう、何もかもが花音次第。
君はもう選べるんだから。