real world
「僕達は所詮多かれすくなかれ子供だよ。それはいつまで経っても変わらない。」
「わざわざ説教しに来たのかよ。」
イラつく。
ムカつく。
どうしてこいつは…
「僕が落ち着いているように見える?なら、それは間違い。僕はね、ちょっとお前より経験があるから、そういう風に見えるだけだよ。」
あくまで、穏やかな声。
なんだこいつ。何しに来たんだ。
「わかってる…わかってるんだ。」
こいつが時間になっても引っ越し先に来ない俺を心配して、見に来てくれた事も。
俺が自分を責めている事も。
多分、結構泣き虫だって事も。
「無力を知っている人は強いと、僕は思う。自分の負けを認めるには、勇気がいるからね。…あんたもそうなんだろ?」
「そう、だな…」
友香…。
「絶望は次への糧になる。少なくとも、私はそうだった。」
花音…