real world
*03*真犯人
恋奈が死んだ。
いや、殺された。
病院の外の広場で、サイレンサー付ショットガンで心臓を撃たれた。
背後から。
海斗の目の前で。
「私のせい…?」
「違う。恋奈はもともと狙われていた。僕の読みが甘かったんだ。」
「私のせいなんでしょ!?」
花音はあと少しでも誰かが怪我したら、本当に壊れてしまうかもしれない。
海斗は意外としっかりしているが、あいつは見た目通りな奴じゃないと知っている。
スカイ・ブルーの社長令嬢が殺された。しかも、狙撃でということで、マスコミの恰好の餌食にもなっている。
ある程度押さえてはいるが、いつこっちの『深い』情報まで嗅ぎ付けられるかわからない。
八方塞がりだ。
「花音。大丈夫。僕は離れたりはしないから、ね?死んだりなんかしない。」
とは言っても、このままじゃ僕がまいってしまいそうだ。
これから、どうしよう。
妹の死は、確かに僕に重くのしかかっていたけれど、正直それどころじゃなかった。