real world


「…違う。」


「花音ちゃん!?出てきたの?」



聞いてしまった。


生きなきゃ。


そう思ってベッドからはい出して、生きる努力をしようとした。


そうしたら、統べて聞こえてしまった。


でもね。


でもね悠樹君。


それは確かに真実だけど、違うの。



「『本当』は知らなくていい。そうしたら、誰も傷ついたりしない。そう思った私は、バカみたい…」



バカみたいだね。



「どういう…?」


「確かに結木大臣は上杉と組んで裏でかなり幅をきかせています。ですが多かれ少なかれ、それはあくまで私の両親を死なせた一つの原因でしかない。」


「殺せと言ったのは別のにんげんってこと?」


「そうです。そしてそれは、東郷 桐恵さんに流れている結木の血が関係している。」



『ファイル』はその“血”の関係を明確に示したもの。


お父さん達と、桐恵さんは、


親友だったから。


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