real world


「待って。どうして花音がそんな事知ってるの?」


「…ごめんなさい。本当は、知ってたの。最初から、全部。でも、信じたくなかった。嫌だった。知ったら悠樹君、私の前から、いなくなっちゃうでしょ?」



いなくならないで欲しかった。


あなたが好きだと気付いたあの日から、私は隠し通す事にした。


すべてを。



「やっぱり、知ってたのね。」



愛さんはポケットから1枚の紙切れを出した。


パソコンでプリントアウトされた文字がある。







―呪われた血を持つ者よ―…






「調べついでにね、あなたのお父様の事も出てきたの。


彩野 拓也(アヤノタクヤ)さん。そして、彩野 美月(アヤノ ミヅキ)さん。玄三郎さん、光さん、麗華さん、桐恵さんこの6人にはつながりがあった。」


「―…はい。お父さんとお母さんは…桐恵さんと、親友でした。」



呪われた血を持つ者。


その親友。


すべては、


その中にあった。


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