real world


「話ってのは、花音のおじさんが残したっていう日記のこと。」



直人はアパートに入り、本題を始めた。


友香は顔をこわばらせる。


私は2人に知っていたことを全部夏休み最後の日に電話で話していた。


面と向かって話したら、きっと逃げてしまうだろうから。



「悠樹が今更誰の血を引いていようがこの際関係ない。問題は…」


「どうしてウチが結木の『ファイル』を欲しがるのか。だよな。」



友香はまったくもってわからないらしい。


彼女の知る限りでは結木家とは面識すらないはずらしい。



「ひょっとしたら、お祖父さまが関係しているかも。それぐらいしかおもいつかない。」


「光佑(コウスケ)さまのこと?どうして。」


「あたしがわからない人間関係はお祖父さまのしかない。」


「うーん。幹部が勝手に動いている可能性は?」

「ないね。あいつら犬みたいに祖父さまに忠実だかんな。」


「堂々巡りだな…」



こっちは2人も殺されている。


一刻も早く犯人を見つけないと今度は私達の中の誰かが狙われる。



「動いている幹部の目星はついている。まずはしらみつぶしだな…」



早く手を打たなきゃいけない。



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