real world
*02*直接攻撃
もう限界かもしれない。
いろいろなものが私を引きずり込もうとしている。
花音。
ごめん。
…ありがとう。
あなたのおかげで楽しい人生を送らせてもらったから、
だから、
私は前に進む。
いつまでも甘えていないで、傷さえも糧にしてみせる。
「お祖父さま。友香です。よろしいですか?」
母の好きなゴスロリのスカートの裾をギュッと握った。
『―入れ。』
ビクッと身体が震えた。
いつ来ても圧倒される部屋。
幼い頃から祖父は怖い存在だった。
まるで何を考えているのかわからない。
勇気を出せ。
そう自分を励まして部屋のドアに手をかけた。
「おひさしぶりです。お祖父さま。」
「半年ぶりだな。一緒に住んでいるのに、なかなか時間が合わないから…どうした?」
言え。
開け口!
「まぁ、察するところ、どうして我が上杉家が結木家の『ファイル』とやらを追い求めるか。または結木と縁があるのか、数々の事件はわしが先導したか否か。と言ったところか。」
「…!ど、どうして…?」
心臓が凍り付く。
身体が震える。
お祖父さまが、なぜそれを知ってるの?