real world


『あなたたち!これはどういうつもりですか!?』



先生が友香を連れたスーツ男にくってかかった。

友香はぐったりしていて、動く様子がない。



―どうしよう。どうしよう。私のせい?私、また失うの?いやだ。待って。でも…―



思考がパニックでまとまらない。


目の前にいるスーツ男がなにか話していたが、私には友香しか見えていなかった。



「友香…。」


『―哀れなお嬢さんはオトモダチのことで頭がいっぱいなのかな?―』


「何をしにきた。まさか学校で騒ぎを起こすつもりなんてないだろ。これくらいなら簡単にもみ消せる。」



悠樹君の声が聞こえてきた。手を握られていることに気がついてパニックが治まってきた。



『―君が最後なんだよ。“ファイル”がないなら血族ごと抹消するしかない。―』




え…?




『―つまりさ、ご子息に死んでもらえばすべてが治まるんだよね。―』



どういうこと?



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