real world
「ふざけるな!悠樹を殺して、なんの徳があるんだよ。第一てめぇは誰なんだ?」
『―おやおや。頭が悪いですねぇ。まぁいいでしょう。―』
男は笑う。
私に顔を向けて。
『―私はね、結木 相楽大臣筆頭秘書・結木 神楽(ユイキ カグラ)。おい!全員外に出ろ!―』
パニックを起こして泣いていた女子生徒を神楽はけり飛ばす。
さっきスーツ男にくってかかった先生はいつの間にか気絶させられていて、廊下に蹴り出されていた。
『―ほらほら!早く出て下さいよ。死体なんか見たくないでしょ?―』
死体。
そう聞いた生徒達は一斉に廊下に向かって走りはじめた。
出ようとしてもドアに人がたかりすぎていて、つまって出れないので廊下側の窓から出た者もいた。
「なんのつもりだ?まさか僕をここで殺すなんてことはないだろう?」
『―さすが。分かってらっしゃる。そう。私は提案をしに来たのですよ。その哀れな元凶のお嬢さんにね。―』