real world
『―な…!上杉老が!?我々に味方するふりをしていたのか!―』
「ちっげーよ。祖父さまは確かにあんたらの味方だよ。あたしがあんたらのこと疑ってたんだっつーの。あたしはわざと捕まりに行ったんだ。わかる?」
友香はふんっと得意げに話した。
なるほど。
そういうことか。
僕らの所に来るってことも推測していた訳か。
「ふ、ふざけないでよ!友香!怪我したらどうするつもりだったの!?予測が外れたら?殺されそうになったらどうするつもりだったの!!??」
「花音。落ち着いて。」
「どうして悠樹君は落ち着いていられるのよ!私っ…!『ファイル』なんかのせいで…!!」
『ファイル』
すべての元凶。
忌むべきモノ。
くだらない。つまらない。
「もう一度聞く。どうして『ファイル』が欲しい。なぜ僕の命をねらう?」
結木 神楽。
お前にとっての『ファイル』は、
人の命に代えられるほどのモノなのか?