real world
どうか届いて。
キミといると安らぐんだ。
キミの価値はキミだけが決めていいもんじゃないんだ。
キミが大事で、
愛しくて、
そんな風に感じる人がいるのに。
キミひとりが決めてしまうなんてずるいじゃないか。
「わからない?感じるだろ!?みんな花音が大事なんだ!なくしたくないんだ!」
閉ざさないで。
キミは独りなんかじゃないんだから。
花音はキュッと唇を結んで、泣くのを我慢していた。
泣く代わりに、感情を爆発させた。
「わ…たしが、わたしが、私が生まれなければ!みんな死ななかった!もうダメだよ。だってそうでしょ!?わたし、私っ…
悠樹君まで殺してしまうかもしれないでしょ!?
」
瞬間、
五感が失せた気がした。
―悠樹君まで殺してしまうかもしれないでしょ!?―
考えてもみなかった。
僕らがたがいに寄生していることは、別に悪い事じゃないと思っていたけど、
そうか。
相手を失うと、
生きていけなくなるって事なんだ。
枯れてしまうんだ。