real world
「だーかーら!それはフライパン!鍋取ってこいよ鍋!!」
「結構底が深いからこれでもオッケーだろ!?いちいちこまけーんだよ男のくせして!」
「てめぇは女のくせして大雑把すぎんだよ!もうちょいおしとやかにはなれねぇのか!」
「はんっ!無理なこった。あたしはあたしだからね。今更かわんねーよ!」
「開き直ってんじゃねぇ!いいから鍋探せ!」
まったく、
どうやってそだったらああなるんだ?
鍋とフライパンの違いくらい教えとけよおやっさん!(←光のこと)
とんだ時間ロスだ。
あんな事になって、仕事はどうしようかと思ったけど、社長(←玄三郎のこと)が何とか収拾つけたらしい。
「おっ、これじゃねぇの?鍋?」
銀色の物体を友香は得意げに見せてきた。
べつに鍋を識別出来たってえらかないんだけどな…
「よしよし。正解。後はいいから、花音たち呼んでこいよ。」
「わかった。」
友香は台所から出て行こうとして、入口で止まった。
「どうした?」
「直人。」
「あ?」
「…ごめんな。」
それだけ言って、友香は花音たちを呼びに行った。