real world


「ごめんな…か。」



べつに友香のせいだなんて誰もおもっちゃいないんだどな。


今回はそれぞれに事情があってこうなった。


誰が悪いなんてわからない。


だれもが悪いのかもしれないし、


だれも悪くないのかもしれない。



「ごめんって、そりゃねぇよなぁ…」



そう。


友香が謝る理由なんて、どこにもないのに。


直接関わっているわけじゃない俺は、みんなのそばにいて、


カヤの外で見ているしかできない。


俺はなんにも失ってない。



家族もいる。


親友もいる。


大切な人も生きてる。



そんな俺が、


本来謝るべき人間なのに。



「…ごめんっ…ごめんな…っなんにも、出来なくて。」



俺は誰もいない部屋の台所で、1人泣いた。


せめて、


みんなの前では笑っていられるように。



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