real world
校門を出たところで、
待機していた愛さんのスポーツカーに4人で乗り込んだ。
運転手は紅さんだけど。
「君達やるねぇー。あのゴリラジェイソンをまくなんて。」
「僕なんて狙撃されましたからね。」
「私なんてプロのボディーガードに追いかけ回されましたから。」
「あたしなんて人質にされましたから。」
「俺なんていつこいつらが死んじまうかヒヤヒヤしながら見ていましたから。」
「…直人君が一番苦労してそうね。」
と紅さんはひきつり笑いを浮かべた。
紅さんはなんと聖華出身で、愛さんの親友で、探偵社をしているそうだ。
もとアメリカFBI。
上流階級御用達の人気探偵。らしい。
「大丈夫そうだね。落ち着いた?花音ちゃん。」
「ご心配をおかけしまして…」
「まったくだよ。」
「マジ焦った。」
「後先考えろよな。」
花音はいつも予想のつかない行動をする。
「ま、親友の頼みだからギャラはタダでいいよ。いたいけな高校生からマージン吸い上げても面白くないしね。」
紅さんは、なんとなく十羽先生に似ているかも。
そう思った。