real world


宝物にするよ。


一生。


たとえ、私達が別れてしまっても、


この出会いは輝き続ける。



つまりね、




「悠樹君。」


「…ん?」


「ありがとう。」




自分から、相手に手を伸ばし、キスをした。(軽くだけど。)



「なっ…!」


「顔真っ赤~!」


「花音だって!」


「ふふっ…悠樹君ってお父さんに似てオクテだよね…」


「うっ…」




つまりね、



あなたが、



大好きってこと。





「笑うなよ花音!」


「だってまだ変な顔してるんだもんっ。」


「~~~~~っ!」


「へっ?」




腕を強く引っ張られて、顔を上げると唇が当たった。


いや、当てられた。



「これでおあいこ!」


「そんな自慢げに言われてても…」


「僕に恥かかさないでよ。」



なんだ。


悔しかったのか。


最初が私からで。



「…何笑ってんの?」


「何でもない~」





キラキラ、キラキラ



輝くよ。


手のひらの中で。



辛さの中の、


生きている中の、


幸せが。



輝くの。




私の、




中でね。




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