real world
「あー!寝過ごした!どーしよー…」


「大丈夫ですよ。車ですから、間に合います。」

あれから起きたら9時30分だった。


うかつにも目標としていた8時30分よりも1時間寝過ごしてしまった。


「着きましたよ。あ、あの女性ですか?」


白いワンピースを着たちょっと顔色が悪い彩野がいた。


「おはよう。顔色悪いけど、大丈夫?」


「え…そう?全然平気なんだけど。」


「なら、いいけどね。乗って。」


「ありがとう。」


『―出て行け!人殺し!―』


ひ…と…?


『―親殺し!―』


彩野の体がびくびく震えていた。


落ち着け。とりあえず彩野を車に乗せるんだ。


「乗って。早く!」


「へっ…」


オロオロしている彩野をよそに車を出させた。
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