real world
「友香!先に来てたの?」


「まぁ、な。」


なんだよ。その物言いたげな目は。何もしてないぞ。


「…2人とも何かあったのか?」


さすが。鋭い。


「何もないよ?」


「なぁ、上杉。」


「なんだよ。」


「僕そろそろツッコミ入れても良いかな?」


「「何に。」」


うわ、ハモったー。じゃなくて!


「何でお前会う度にゴスロリなんだよっ!!」


初めて会った時も、偶然会った時も、今も!


「あれ、悠樹君知らなかった?友香のお母さんがゴスロリ好きなんだよ。」


「まぁ、着れれば服だろ。いいっしょ、別にヒラヒラでも。」


「いや確かなそうなんだけど…。」


女としてどうなのそれ。

「とりあえず親父達が来るまで…」


そうだった。あと30分の余裕がある。何をさせるつもりだか。


「―…演技の練習しよっか!」


演技ぃ!?


「何の演技?マナーなら昨日たたき込んだじゃん。」


でた!すっとぼけ!君何しにここに来たんだよ!

本当にわからない娘だ。

さっきまで、あんなに震えていたのに。


「えぇ!?恋人の演技?」


「それ以外に何があるんだよ!」


今は、笑ってる。


どっちが本物の彼女なんだ?


わからない。
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