real world
「花音。こちらは僕の父だよ。」


「彩野花音です。」


「美月の娘か。」


「母を、ご存じで?」


「あぁ。上杉と同じように俺も聖華の出身だからな。」


「では、父もご存じなんですね。」


知らなかったぞ親父。そんな繋がりがあったなんて。


「お葬式には行ったんだが、君はいなかったから。」


「…私が警察にいた時に行われましたからね。」

もしかして…それで、人殺しと決め付けられたのだろうか。


「まぁまぁ。今は良いじゃありませんか、そんな話しなくても。」


「お父様は相変わらずヘタレですね。」


今のセリフ誰が言ったんだ!?


「ヘタレって…ひどいなぁ。」


「ありのままを申し上げただけですわ。お父様。」


上杉…『お父様』に恨みがこもってるぞ。


「おじさん、お久し振りです。」


「随分と大人っぽくなったね。花音ちゃん。」


上杉グループの総帥。


喋り方はこんなのだが、れっきとした日本の偉人だ。


「前置きはそれぐらいで良いだろう。」


いよいよだ。




「―本題に入る―」
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