real world
駅で直人と友香と合流して、聖華高校の 最寄り駅まで約30分。


私たちの通っている帝都(ていと)中学は中高一貫だから、


外部受験をした変わり者は私たち3人だけだ。


公立ではあまりない、白いスカートの制服が目立つ。


たぶん合格していると思うんだけどなぁ…


「友香、自信ある?」


「まぁそこそこに。直人は?」


「うーん…ま、上杉が合格なら俺もいけるだろ。」


「どういう意味だよそれ!」


「だって友香俺より成績低いじゃん。」


「いやわかんないでしょ、こういうのは運もあるし。」


『―さらしな、さらしな駅でございます。―』


「あ…着いた。」


駅は結果を見る為に来ている受験生であふれていた。


「なぁ花音。」


「…ん?」


「なんで、生徒会用ボレロ着て来たんだよ!もろ目立ってるじゃん!」


「あー。気付かなかった。ごめん友香。」


ちなみに生徒会用ボレロ=えんじ色。


「じゃ、いこーぜ。改札こんでそうだし。」


「うん行こう!」


もう、戻れない。
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