real world
『お疲れ様ですー。』


「はい。お疲れ様です。」


今日の仕事はこれで終わりだから、5限目からは学校に行けそうだ。



もうすぐ期末試験なのに、仕事には出なくちゃいけない。



『直人、秋良(あきら)、聡(さとし)、武(たける)、早く着替えて来いよ。』



「はいはい。」




『ねぇ、ぼくのティーシャツ知らないー?』


『知らない。』


『おい、誰かケータイなってるぞ。直人のじゃねぇ?』



「悪い。武、取って。」


『ほら。女の子か?』


「…ちげぇよ。だち。」

前田がメールなんてして来たのは初めてだった。

『To:上杉友香・西直人
Subject:緊急

本文:早くー…』


『え!?オイ直人!どこいく!』


いくら勉強があいつに劣っていても、あれぐらいはすぐに解る。



花音が、パニックを起こした。


俺はパニックこそ起さなかったが、しばらく不眠症になった。


それぐらい、アレは強烈だったから。



赤の他人の俺ですら、怖い。



花音。お願いだから、他に何も望まないから、





消えないでくれ…
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