real world
「恋奈!また俺のカバンにゴミいれたろ!ゴミはゴミ箱だバカたれ!」


「えー…いいじゃんそれくらい。」


「お前本当に女か?」


「生物学上、とりあえず。」


「そういう問題じゃねぇだろ!」



前田 恋奈。当時15歳。

俺、北見 海斗。当時16歳。


俺達は中高一貫の学校に通っていて、つきあってた。


きっかけは、恋奈が高等部まで俺の忘れ物を届けてくれた事からだった。

恋奈は学園のアイドルみたいな子だった。


人望があって、性格もよくて。なにより美人だった。


そこで言われたんだ。



―『北見先輩。好きです。つきあってください!』



しばらくして、つきあった。


俺は思った以上に彼女の事を好きになっていたらしい。


結構嫉妬していた気がする。


あんまり笑ったり、怒ったりといった感情を面に出さなかったけど、


恋奈といると自然に出た。


恋奈は、意外とふてぶてしいおおざっぱな娘だったけど。


それでも、俺にとったら1番だった。



「兄さんに会ってほしいの。兄さんはいつも1人だから、友達になってあげて?」



恋奈は、優しいから。


だから、


起きなくなっちゃったんだ。
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