real world
「恋奈は、優しいから。」



恋奈。起きてよ。





―…1年前。夏休み



「海斗!夏だよ夏!海に行こうよー!」


「えー?めんどくさい。」


「じゃあ、家に来てよ。」


「なんで。」


「兄さんに、会ってほしいの。兄さんはいつも1人だから。」



また、人の心配。


恋奈らしいけど。



「いいよ。行っても。」

「ホント!?」


後ろから抱き付かれた。で、気がついた。スカート短かっ!


「そのかわり、」


「…?そのかわり?」


「…もう少しスカートは長いの選べ。」


やばいんだよ。いろいろ。


「え?あ、もしかして、やきもち?」


「ばっ、ちげぇーよ!俺も男だって事!」


高等部上がって来るまで待たなきゃいけないこっちの気にもなれっての。

「男じゃなきゃ付き合わないよ?」


うん。もういいや。


「とにかく、お前無防備すぎるんだって!気をつけろ!」


訳→だからその露出しすぎな脚を背中にくっつけるな!襲うぞ!


まぁその無防備な所も好きだけど!


ただでさえ美少女だから付きまとわれるのにもっとギャラリー(男)が増える!


そんな事を考えているなんて本人は知らない。


「まぁ、気をつけるよ。ぼちぼち。」


いますぐにやれ!


俺は叫びそうになりながらどうにかその場をやり過ごした。
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