real world
あれから、何時間すぎただろう。
「ねぇ、海斗。」
「なに。」
「キスして…?」
「なんで疑問系?」
「言ってみた事がないから、これでいいのかなって。」
「そっか…」
では、お望み通りに。お姫様。
泣いたあとだからか、恋奈の唇はしょっぱくて、でもそれもかわいいと思ってしまう。
やめられなくなならないうちに、恋奈をはなす。
「今日は、ここまで。」
「なんか足りない…。あーあ。なんであの学校にしちゃったんだろー。公立行けばよかった。」
中高一貫のあの学校では、中学生と高校生のこういう異性関係はすぐ噂になる。
それを避けるために、
『高等部に上がって来るまで手は出さない』が鉄則だ。
みんなそうやって乗り越えている。
「公立にしたら、恋奈は俺じゃない奴を好きになってたかもよ?」
「自信あるもん。絶対海斗を好きになるって自信。」
かわいい事言うな!放せなくなるから…
「じゃ、そろそろ帰るよ。もう7時だ。」
「普通の恋人は7時に別れないよー。」
「わがまま言わない。じゃあな…また明日、今度はうちに来い。」
「はぁい。また明日ね!」
―…現在。夏休み前。
前田 恋奈。 16歳。
俺、北見 海斗。17歳
なぁ、恋奈。どうしてあの時、気付けなかったんだろう?
気付けばよかったんだ。
あの時に。
「ねぇ、海斗。」
「なに。」
「キスして…?」
「なんで疑問系?」
「言ってみた事がないから、これでいいのかなって。」
「そっか…」
では、お望み通りに。お姫様。
泣いたあとだからか、恋奈の唇はしょっぱくて、でもそれもかわいいと思ってしまう。
やめられなくなならないうちに、恋奈をはなす。
「今日は、ここまで。」
「なんか足りない…。あーあ。なんであの学校にしちゃったんだろー。公立行けばよかった。」
中高一貫のあの学校では、中学生と高校生のこういう異性関係はすぐ噂になる。
それを避けるために、
『高等部に上がって来るまで手は出さない』が鉄則だ。
みんなそうやって乗り越えている。
「公立にしたら、恋奈は俺じゃない奴を好きになってたかもよ?」
「自信あるもん。絶対海斗を好きになるって自信。」
かわいい事言うな!放せなくなるから…
「じゃ、そろそろ帰るよ。もう7時だ。」
「普通の恋人は7時に別れないよー。」
「わがまま言わない。じゃあな…また明日、今度はうちに来い。」
「はぁい。また明日ね!」
―…現在。夏休み前。
前田 恋奈。 16歳。
俺、北見 海斗。17歳
なぁ、恋奈。どうしてあの時、気付けなかったんだろう?
気付けばよかったんだ。
あの時に。