real world
「恋奈。今な、悠樹とアイドルやってるんだよ俺。結構人気あるんだぜ?」



起きない恋奈に話しかけていると、涙か出て来た。







―…1年前。夏休み。


俺は恋奈との約束のために駅にいた。



『お昼の2時!遅れないでよ!?』



恋奈じゃあるまいし、遅れるかっての。


でも、2時になっても、3時になっても、恋奈はこなかった。



「おかしい。」


ありえない。


ケータイもつながらない。


どうして…?胸騒ぎがする。



♪~♭♯~


恋奈か!?



「もしもし!恋奈?お前どこに…」


『僕だよ。海斗。』


「悠樹?そうだ恋奈知らないか?来ないんだよ。」


『落ち着いて聞いて。恋奈は―…………』




嘘だろ?


離れない。


『恋奈は、自殺をした。』


「なんで、自殺…?」


『落ち着いて。まだ死んでない。生きてる。一応ね。』


「い…きて、る?」


『あぁ。植物状態だけどね。』


植物状態?


恋奈が、


どうして。


高等部に上がる事、楽しみにしてたのに。


どうして自殺なんかしたんだ?
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