real world
フラフラする。


ここはどこ?



「うわー。ホントに大丈夫なかんじじゃないな。」


「何度ですか?」


「9度7分。何したらこんなになるのか…」



9度…?


あぁそうだ。朝からいろいろ考えていると頭がボーッとしてきて、


悠樹君に保健室に連れて来てもらったんだっけ。



「お、お前のお姫様が気がついたみたいだぞ?」


「からかわないでくれますか。」


「はいはい。ごゆっくりどうぞ。学校で許される範囲で頼むよ。」



先生…楽しんでるよね。絶対。



「花音、今車呼んだから。送っていくよ。」



何回彼の呼んだ車に送られただろう。(リムジンだったけど)



「花音?大丈夫?寝ときなよ。起こしてあげるから。」


「眠りたくない…」


「どうして?」



『良くならないから、寝ときな』って言わないんだね。あなたはいつも、理由を聞こうとする。だからつい、素直に答えてしまう。



「眠るのは、恐い。」



こわいの。


−誰かにすがるのは間違っている。


わかっている。


もうひとりの私が止めようとする。


−ならナゼ彼に話す。


なぜ?





見ないふりはもう出来ない。


なら、この想いは胸にしまっておこう。


彼を巻き込まないために。



もうろうとする意識の中、私はそう決めて、悠樹君を見た。
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