白+黒【TABOO】

「花蓮ちゃん、何かあった？」
今までのことを全て話した。
急に先生が、鍵盤に置いた私の手を握ってきた。
「展示会で見た時から、君を忘れられなかった。白い服を着るように言ったのは、君を汚さないと誓ったから。だけど、今は花蓮を抱きたい」
涙が溢れた瞬間、先生がキスしてきた。
そして、柔らかい絨毯の上に押し倒された。
「先生・・白と黒が混ざったら、灰色になります・・」
優しい笑みを浮かべ、流沙は言った。
「白と黒の鍵盤は、音の質が違う。だけど、音が重なっても白と黒もままで、居心地の良い音色になる」
「では、どうして今まで私に気を使っていたのですか？」
流砂は、花蓮を更に強く抱きしめて言った。
「心からのピアノになりたかった」
２人は、重なり合うピアノの鍵盤になる。