突然現れた王子


日曜日の昼下がり。


梅雨真っ只中の、珍しくよく晴れた日。

少し暑いくらいの、気持ちいい日だった。


いつもと変わらぬ日々。

あたしの隣には、ケイタ。

退屈そうに、座ってテレビとにらめっこ。


「暇だなぁー」

「そうだねぇ」


最近のあたしたちの口癖。

二人でいても、特にすることはなくて。


つまらない番組を、ひたすら観てるだけ。


「なんかおもしろいことねーのかよぉ~…」


ケイタは不満の声をあげて、ベッドに倒れ込んだ。




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