突然現れた王子


騒がしく聞こえる、医師の声。

機械音が、慌ただしく鳴り響く。


あたしは、
ゆっくりとその人だかりに近付いた。


すると、40代半ばぐらいの一人の女性が、あたしに気付いた。

あたしの足は、そこで止まった。


「あら、あなた……」


その女性は、あたしを見ると口を開いた。


「啓太に…会いに来てくれたの?」

「え?」




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