突然現れた王子
あたしは、一歩ずつベッドへと近付く。
たくさんの人の中から、ベッドを見つめた。
医師や看護師に囲まれて、そこに眠っていたのは
紛れもなくケイタだった。
「ケイ…タ………」
ケイタは目を瞑ったまま、動かなかった。
たくさんの管に繋がれたケイタ。
ケイタの体から伸びる管の先にある機械からは、
けたたましい音が鳴り響いていて。
そこに表示されている数字は、とてつもなく低い。
せわしなく作業をする医師と看護師。