突然現れた王子


あたしは、一歩ずつベッドへと近付く。


たくさんの人の中から、ベッドを見つめた。

医師や看護師に囲まれて、そこに眠っていたのは


紛れもなくケイタだった。


「ケイ…タ………」


ケイタは目を瞑ったまま、動かなかった。


たくさんの管に繋がれたケイタ。

ケイタの体から伸びる管の先にある機械からは、
けたたましい音が鳴り響いていて。

そこに表示されている数字は、とてつもなく低い。


せわしなく作業をする医師と看護師。




< 166 / 209 >

この作品をシェア

pagetop