突然現れた王子


聞かなくたって分かる。


ケイタは……危ないんだ。


きっと今、生死の狭間をさまよってる。

そんな危ない状態に、ケイタはいる。


あたしはただ、願うことしかできなかった。


せっかくケイタと出会えたのに。

ケイタに恋して、
ケイタもあたしを想ってくれて。


これほど人を愛しいと思ったことなんてない。

愛することの意味を、ケイタと出会って知ることができたのに。


ケイタがいなくなれば、この恋は一生叶わなくなる。




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