突然現れた王子
3.ひとつドアの中?
ご飯も終わり、あたしはケイタと2階に上がろうとした。
「あっ、お母さん。ケイタの部屋は?」
「ん? アユと一緒でいいでしょ?」
「はぁ!?」
母親の言葉に、
あたしはびっくりして大声を上げた。
ケイタは驚いて固まっている。
「お母さんケイタの話聞いてた!?
あたしたち友達じゃないんだよ!?」
「家族がいるのにケイタくんだって手出したりしないでしょ。
部屋ないんだから仕方ないじゃない」
「そうだけどさぁ~…」
「ケイタくんの布団はあとで部屋に運ぶから」
そう言って洗い物を再開する母親。