突然現れた王子
4.謎な関係
ケイタがあたしの部屋に現れてから、
3日が経った。
学校から帰るとケイタが『おかえり』と言う。
それにあたしは『ただいま』と答える。
それが当たり前になりつつある。
それほどケイタは、あたしの家族に馴染んでいた。
5人家族の光景が、
不自然なくそこにあった。
「アユ、今日教科書忘れてっただろ?」
母親の手伝いをしながらケイタは問いかけた。
「うん。現代文の教科書忘れちゃった」