突然現れた王子
5.ドキドキ
土曜日の夜。
あたしたちは眠りにつこうと布団の中にいた。
「あっ、ケイタ。明日出掛けるからね」
「うん。分かった。二人で?」
「明日はみんな用事があるらしいから二人かな」
あたしは布団に潜りながら言った。
ケイタはもうすでに布団の中だ。
「電気消すよー」
もう当たり前になっている、ケイタの電気消し。
暗闇に包まれながらも、あたしたちは話を続けた。
「帽子忘れちゃだめだよ」
「分かってるって」