突然現れた王子


「ダメ! 絶対ダメ!」

「ええー! なんでー?」

「なんでも! ケイタだけはダメ!」

「あっ、ケイタくんっていうんだぁ。
あたしマコト。よろしくぅ~」

「もうー! マコト!」


あたしは必死になってマコトを止めた。

ケイタの知り合いにバレるとまずいからとか、
そんな考えじゃなくて、

本気で嫌だと思ったから。


ケイタを他の女の子に紹介するなんて、考えたくもない。

こう考えるあたしは、もうすでに変だ。


別に紹介したって、あたしにとったら何の問題もないはずなのに。

どうして嫌だなんて思うんだろう?




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