突然現れた王子
6.確かな想い
ケイタと出掛けてから2週間。
5月から6月に変わろうとしている今。
あたしには一つの大事な日が、
近付いてきていた。
年に一度しかない、大事な日が。
「ケイター。お風呂入った?」
「あ、まだ」
あの日から、ケイタに対してドキドキすることは、何度かあった。
醤油を渡す時、指と指が触れあったり、
階段を踏み外してこけそうになった時、助けてくれたり。
そんな時、あたしの鼓動はおかしくなったように、
ドクドクと脈を打った。