突然現れた王子
これだけではない。
朝起きた時、寝癖のついた髪の毛のまま、
眠そうにあくびをするケイタ。
お風呂上がりにタオルで髪の毛を拭くケイタ。
満面の笑みで笑うケイタ。
いろんなケイタを見る度に、あたしの胸は高鳴るんだ。
これが何なのか、未だに分からない。
ケイタはただの同居人、
それ以外の何でもない。
そう思ってるはずなのに。
いや…自分に言い聞かせてるのかもしれない。
ケイタは同居人だって、
これ以上先には進めないんだよって、
そう言い聞かせてるのかもしれない。