夢の欠片
「プリントはこちらです」


そう言って校長が大量のプリントをお母さんに手渡した。


「そして、こちらが優奈さんの在籍するクラス、一年一組担任となる、担当教科は数学の、山辺和也先生です」


「よろしくお願いします」


校長の紹介に続いて、三十代くらいの男性が頭を下げた。


「これからお世話になる咲森優奈です。よろしくお願いします」


私も頭を下げると、山辺先生は笑顔を見せた。


「優奈さんか。これから頑張れよ」


「はい!」


正直に言えば、男性というだけで少し怖かったけど、誤魔化すために返事を元気にした。


「それではお疲れ様でした。お帰りいただいても構いません。では、私はこれで失礼します」


校長が出ていき、私たちも帰ることにした。


「失礼しました」


最後にそう言ってその場を後にした。
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