夢の欠片
「起きろ!」


その声と共に背中に衝撃を感じた俺は、「学!」と言ってうつ伏せ状態から起き上がった。


振り向くと、ニヤニヤしている学とクスクス笑っている由梨と陽菜がいて、明らかに変だと感じた俺は、咄嗟に黒板の上の時計を見た。


それが示していた時間は、帰りのホームルームが終わっている時間だった。


「またこんなに寝てたのか……」


思わずため息をついて、机の中の物を鞄にしまう。


「羚弥は情けないよなー。優奈ちゃんと陽菜ちゃんがせっかく待っててくれてるのに」


「いや……マジでごめん」


学の笑い方に対してイライラしながらも、陽菜と由梨がいることに驚いている感情があるせいか、いつものように学に反抗する気にはなれなかった。


物をしまい終わって立ち上がると、由梨が「帰ろっか!」と言って陽菜と一緒に歩き始めたので、俺と学もそれについていく形で教室を出た。
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