夢の欠片
「ところで陽菜は家こっちの方向で大丈夫なの?」
陽菜の家を気にせず、いつもの帰り道を歩いていたため、遠回りになったら悪いなと思いながらそう質問した。
「うん。この前優奈を捜した時さ、本田君が遠矢君の家まで案内してくれたでしょ?」
「ああ、あの時か」
由梨が行方不明になって母さんと電話した後のことだ。
「それで分かったんだけどね、私の家ね、遠矢君の家から二分もかからない場所にあるんだよねー」
それに驚いた由梨が「えぇ!?」と大袈裟な反応を見せた。
「本当はさ、優奈と二人で帰るつもりだったけど、優奈と遠矢君が一緒に住んでるから自然と一緒になるじゃん? だから家近いけど遠慮しよっかなって一瞬思ったんだけど、本田君とも遠矢君とも仲良くなれそうな気がするし、思い切って着いてきちゃったー」
「ふーん。ま、何はともあれ俺は花が二つも増えて幸せだけどな」
「学、変態発言やめようね」
学の肩をポンと叩く。
「は!? そんなこと一言も言ってねえし!」
「本田君面白いね」
学が陽菜と由梨に笑われて顔を真っ赤にした。
「羚弥、こうなったら今日の夜中に変なメール大量に送りつけてやるからな! 覚悟しろよ!」
「いいよ、やったら永遠にアカウントブロックするから」
「いや、それは……勘弁してください……」
「あ、そうそう。本田君と遠矢君とのメアド訊いていい? お近づきの印としてさ」
そう言って陽菜が携帯を出した。
「ああ、いいよ。学は女子のメアド初入手じゃね?」
「余計なこと言わないでくれ……」
そう言いつつも嬉しそうな表情をする学が少し面白かった。
それから立ち止まってメアド交換をした後、学が「じゃあ俺こっちだから」と言って別れていった。
そして、すぐに陽菜も別れ、家まで数分の距離となった。
「そういえば由梨の携帯ないよな。母さんに頼んでみるか?」
「うーん、お金かかるからいいや。いざとなったら羚弥君から連絡してくれればいいし。ほら、陽菜への連絡とか、お姉ちゃんへの連絡とか」
「あ、そう?」
「うん。あ、でもお母さんとお父さんに連絡できないのは問題かなー。連絡先すら知らないし……」
それを聞いて、由梨の父さんがどんな人か気になった。
「由梨の父さんって何やってるの?」
「外国の会社の社長。だから日本に来るのは年に一回か二回かなー」
「うわー、次元が違う」
思った通り凄そうな人で、俺は思わず苦笑した。
「あ、家見えた!」
由梨がそう言って走り出したので、めんどくさいと思いながらも走って追いかけていった。
陽菜の家を気にせず、いつもの帰り道を歩いていたため、遠回りになったら悪いなと思いながらそう質問した。
「うん。この前優奈を捜した時さ、本田君が遠矢君の家まで案内してくれたでしょ?」
「ああ、あの時か」
由梨が行方不明になって母さんと電話した後のことだ。
「それで分かったんだけどね、私の家ね、遠矢君の家から二分もかからない場所にあるんだよねー」
それに驚いた由梨が「えぇ!?」と大袈裟な反応を見せた。
「本当はさ、優奈と二人で帰るつもりだったけど、優奈と遠矢君が一緒に住んでるから自然と一緒になるじゃん? だから家近いけど遠慮しよっかなって一瞬思ったんだけど、本田君とも遠矢君とも仲良くなれそうな気がするし、思い切って着いてきちゃったー」
「ふーん。ま、何はともあれ俺は花が二つも増えて幸せだけどな」
「学、変態発言やめようね」
学の肩をポンと叩く。
「は!? そんなこと一言も言ってねえし!」
「本田君面白いね」
学が陽菜と由梨に笑われて顔を真っ赤にした。
「羚弥、こうなったら今日の夜中に変なメール大量に送りつけてやるからな! 覚悟しろよ!」
「いいよ、やったら永遠にアカウントブロックするから」
「いや、それは……勘弁してください……」
「あ、そうそう。本田君と遠矢君とのメアド訊いていい? お近づきの印としてさ」
そう言って陽菜が携帯を出した。
「ああ、いいよ。学は女子のメアド初入手じゃね?」
「余計なこと言わないでくれ……」
そう言いつつも嬉しそうな表情をする学が少し面白かった。
それから立ち止まってメアド交換をした後、学が「じゃあ俺こっちだから」と言って別れていった。
そして、すぐに陽菜も別れ、家まで数分の距離となった。
「そういえば由梨の携帯ないよな。母さんに頼んでみるか?」
「うーん、お金かかるからいいや。いざとなったら羚弥君から連絡してくれればいいし。ほら、陽菜への連絡とか、お姉ちゃんへの連絡とか」
「あ、そう?」
「うん。あ、でもお母さんとお父さんに連絡できないのは問題かなー。連絡先すら知らないし……」
それを聞いて、由梨の父さんがどんな人か気になった。
「由梨の父さんって何やってるの?」
「外国の会社の社長。だから日本に来るのは年に一回か二回かなー」
「うわー、次元が違う」
思った通り凄そうな人で、俺は思わず苦笑した。
「あ、家見えた!」
由梨がそう言って走り出したので、めんどくさいと思いながらも走って追いかけていった。