夢の欠片
気がつけば俺はどこかの和室にいた。障子や仏壇、茣蓙に押入れがあるから和室に間違いない。
何でこんなとこにいるんだろうと思っていると、俺は廊下に行った。自分の意思ではなく、勝手に移動してることから、『そうだ夢だ』と思い出した。
俺は歩みを進め、リビングからキッチンへ行った。そして、流しの近くにある引き出しから包丁を取り出して見つめた。
包丁は光を反射させ、異様な輝きを放っているように見えた。
「おい」
後ろから誰かに声をかけられ、俺は振り向いた。その声は、あの時の非情な少年の声が少し低くなったような感じだった。
顔はぼやけていて、よく分からなかった。ただ、手が震え始め、歯を食いしばったので、こいつを恨んでいるんだと理解した。
「何するつもりだ? 俺に逆らったらどうなるか分かってんだろ? また散々蹴られたいか。……まあ、友達と遊んだら俺に殴られ、この家のトイレを使っても俺に蹴られ、一人称まで制限されて。お前は確かに俺に恨みを持つだろうな。百回殴られたり、蹴られたり、ガスバーナーなんてものもあったなぁ」
「……じゃあ何でするんだよ」
次の瞬間、俺の顔面が殴られた。
「だから言葉遣いが気に入らねえっつってんだろ! 何でやるかって? 楽しいからだよ! あっはははは!」
俺は殴られた頬を抑えながら、包丁を強く握りしめた。
「……殺してやりたいよ。本当に。でも、取り返しがつかなくなる前に、俺はここを出て行くんだ」
そう言うと俺は走りだし、玄関から外へ飛び出した。
「はは、餓死でも何でもすればいいさ! 俺としてはサンドバックがいなくなって残念だけどなあ! まあ、戻って来たら今までの倍は覚悟しとくんだな!」
走ってる途中に聞こえた不気味な高笑いを、俺は聞こえなくしようと耳を塞いだ。
しばらく走って、俺は橋へ行って川に降りた。
それからしばらく川の流れを見つめた後、大きな石を見つけ、自分の頭に思いっきり打ちつけた。
「忘れてしまえ! こんな嫌な感情も、俺の過去も! 何もかも全部! 忘れてしまえ!」
それから叫び続けながら、痛くても痛くても必死になって打ちつけ続けた。
そうして、俺は意識を失った。
何でこんなとこにいるんだろうと思っていると、俺は廊下に行った。自分の意思ではなく、勝手に移動してることから、『そうだ夢だ』と思い出した。
俺は歩みを進め、リビングからキッチンへ行った。そして、流しの近くにある引き出しから包丁を取り出して見つめた。
包丁は光を反射させ、異様な輝きを放っているように見えた。
「おい」
後ろから誰かに声をかけられ、俺は振り向いた。その声は、あの時の非情な少年の声が少し低くなったような感じだった。
顔はぼやけていて、よく分からなかった。ただ、手が震え始め、歯を食いしばったので、こいつを恨んでいるんだと理解した。
「何するつもりだ? 俺に逆らったらどうなるか分かってんだろ? また散々蹴られたいか。……まあ、友達と遊んだら俺に殴られ、この家のトイレを使っても俺に蹴られ、一人称まで制限されて。お前は確かに俺に恨みを持つだろうな。百回殴られたり、蹴られたり、ガスバーナーなんてものもあったなぁ」
「……じゃあ何でするんだよ」
次の瞬間、俺の顔面が殴られた。
「だから言葉遣いが気に入らねえっつってんだろ! 何でやるかって? 楽しいからだよ! あっはははは!」
俺は殴られた頬を抑えながら、包丁を強く握りしめた。
「……殺してやりたいよ。本当に。でも、取り返しがつかなくなる前に、俺はここを出て行くんだ」
そう言うと俺は走りだし、玄関から外へ飛び出した。
「はは、餓死でも何でもすればいいさ! 俺としてはサンドバックがいなくなって残念だけどなあ! まあ、戻って来たら今までの倍は覚悟しとくんだな!」
走ってる途中に聞こえた不気味な高笑いを、俺は聞こえなくしようと耳を塞いだ。
しばらく走って、俺は橋へ行って川に降りた。
それからしばらく川の流れを見つめた後、大きな石を見つけ、自分の頭に思いっきり打ちつけた。
「忘れてしまえ! こんな嫌な感情も、俺の過去も! 何もかも全部! 忘れてしまえ!」
それから叫び続けながら、痛くても痛くても必死になって打ちつけ続けた。
そうして、俺は意識を失った。