金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜
「……どうせ、卒業したら会えなくなるんだし……片想いでいい。ただ、好きでいるだけ……」
「……そっか」
有紗は賛成も反対もせず、ただそう言って微笑んでくれた。
きっと有紗は恋する気持ちをよく知っていて、それが簡単に捨てられるものじゃないってわかっているんだ。
結局お弁当は減らないまま午後の競技開始の放送が入って、私たちはまたグラウンドへと向かった。
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