金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜

――――私の願いもむなしく、その日から男性教師と向き合ったとき、相手が誰であれ激しい嫌悪感を抱くようになってしまった私。


最初の頃は、この学校の先生は悪くない、悪いのは岡澤という教師ただ一人だと、自分に言い聞かせたこともあった。


でも……そんな気休めに全く効果はなくて、私は次第に心から男性教師を嫌うようになってしまった。



それでも一年の頃はまだ良かった。

担任が、女性だったから。


でも、今年はそうはいかない。

私に岡澤の記憶を思い起こさせた張本人……恩田秋人が担任なのだ。


華やかな三年間を過ごそうと期待に胸を膨らませていたはずの高校生活は……


今年もまた、暗い闇の中でもがくだけになりそうだ。


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