金木犀の散った日〜先生を忘れられなくて〜
「……せん、せ……」
笑顔にしてあげたいと言われたばかりなのに、涙が溢れてきてしまう。
出会った時は、小夜子さんで埋め尽くされていた先生の心。
出会ってからも、その影はいつも彼にくっついていて、私にはそれが苦しくて。
だけど、やっと解放されたんだ……
先生も私もこれからは、お互いだけを見つめていればいいんだね……
先生との未来が、キラキラと輝いて私を待っているような気がした。
ずっと一緒に居られるって、信じて疑わなかった。
だって約束したもん……
来年も、再来年も、一緒にクリスマスを過ごそうねって……
約束したもん……