俺様彼氏


「まあいいや。勝手にしろよ」


背を向けて歩き出すと、か細い声で俺の名前を呼ぶのが聞こえた。


もう知らねーよ。


あー、俺最悪じゃん。

いくら相手の男がかっこ良かったからって…


………いや、まじでかっこよかった。


爽やかで、頭も良さげだったし。

それに比べたら俺は……。

りんにとっちゃ、別にそうでもないし的な?


「……最悪」


そう呟いた言葉は人混みの中に紛れて聞こえなくなった。



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