恋する生徒
一呼吸、口を開こうとしたけど、何も言えずに視線を逸らしてため息を吐いた。
「実は…」
「ッいや、いいや。何か葵君の事だから嫌な予感しちゃった」
ケラケラと笑っている先生の直感は、半分当たっている…かもしれない。
今までの葵と一緒の学校に言っていれば、必ず弟の事が耳に入ってくる。
いい事も、悪い事も…。まぁ、半分以上が悪い事が多いけどね…。
はぁ…。
「そうですか…」
「おばさんに葵君の勉強もみてほしいって言われて俺どうしようかと思ったよ」
え? 何それ…。
私聞いてないわよ!? お母さ~ん…!
「俺も茜ちゃん教えるだけでいっぱいですって答えちゃったけどね」
「………どう言う意味ですか?」
ちょっとだけ、期待しちゃうよ…そんな事、言われちゃったら…。
どうして、先生は私の心臓をドキドキさせちゃう事を言っちゃうんだろう…。