恋する生徒
本当は、先生のシャツにすがり付いて言いたかった…けど、両手にはお菓子を持っていて出来ない。
言った後の私は、頭が真っ白。
だって、私は生徒で。先生は先生。
いくら家庭教師だとは言え、先生が私を見る確率はかなり低いのは当たり前だよ。
私がもっと賢くなって。
私がもっと綺麗になって。
私がもっと先生の理想の人になるぐらいになって。
私がもっともっと、大人になって。
告白をしたかったのに…。
いくら勢いだけで言ったとはいえ…、タイミングを考えてよ私!!
半分泣きそうになる。
喉が引きつる。
鼻の奥がツゥンと痛くなる。
目頭が熱くなる。
自然と顔を下へと俯いて、自分の靴を見下ろす。
うぅ…自分のタイミングの悪さが恨めしい……。
「……そんなに好きなの?」
「……ぇ?」