恋する生徒
今までだったら、先生との時間が早く終わって欲しくないのに、早く終わっちゃう寂しさがありつつも、会話をする事が楽しくて、楽しくて…けど、今は息苦しい…。
「…体調でも悪い?」
「大丈夫、です」
優しく尋ねられた言葉もなぜか、冷たく言い返しちゃった。
私の、バカ…。もっと、いい言い方があったのに…。
「……。茜ちゃん、集中出来ないなら今日はもうやめよう」
「ぇ…? な、何で? ちゃんと集中するからッ…!」
バンっ。
静かな部屋に響いた教科書を閉じる音は、私の恐怖を煽るものだった。
何…?
何だか…怖い…。