恋する生徒
や、やだ…。耳元まで心音がウルさいよ…! 先生の声が聞こえないじゃん!
「茜ちゃん? …次のテストっていつ?」
「え?」
「そのテストで、全教科80点以上取ったら…」
ニヤリと笑う先生。
告白じゃないの? 何で?
「俺とお付き合いしてくれる?」
「………テストで80点以上……?」
「そう。俺は、茜ちゃんの成績を上げる事が、俺のお仕事。でも、茜ちゃんは俺と恋人同士になりたい」
違う? って、尋ねる先生。
確かにそうだけど…、どうしてそんな事を言い出すの?
眉を潜めていた私に言い聞かすかのように先生は、私の両手を大きな手で繋いでくれた。
暖かくて、優しく包んでくれる先生の両手に私は頬が熱くなっちゃう…。