恋する生徒
恋する生徒 淳平編 ③
「す、き…! です…」
誰もいない教室に呼び出されて、何も分からないって齢でもなくなった俺は、目の前で告白された事に動揺なんてしてない。
むしろ、困っている。
…だって、サークルで仲間って思ってた子からの告白。
別に告白された事がイヤって訳じゃない。むしろ告白された事はうれしいって思う。
こう言うのって、男としての付加価値が上がったって事だろ?
けど、問題がひとつ。
俺が彼女の事を好きだと思ってない事だ。
つまり答えは「ノー」だ。
答えれば、サークル仲間としての関係が崩れ去る事は確か。
それを分かって告白してきてるのか?
目の前の子はタメで、確か周りの男どもからマドンナ(古い?)的存在。…つまり、自分が可愛いって事を知り尽くしている。
「……ぁ―――…。わるぃ…。突然の事でビックリしたんだけど…」
つい誤魔化して、相手の出方を見守る。